『医食同源』の言葉通り、体の健康はまず食べるものから。
これは人間でもウサギでも、他の動物でも同じです。
一昔前には『パンの耳』や『野菜くず』、『野草』、『穀類』等で飼育されていた時代もありますが、
ウサギが「家族」として人とともに暮らすようになってから、
「健康で長く生きる」ための食事が重要視されるようになりました。
では、どのような食事がウサギの健康に良いのでしょうか?
今回は食事の基本について見ていきましょう。

ウサギの食性

ウサギは完全草食動物です。野生下では捕食動物を避けながら、様々な植物や樹皮、枯れ葉、根などを食べています。
盲腸が発達していて、人間では利用できない『繊維質』を腸内細菌が分解し、栄養源にしています。
昔は『ウサギには水を与えてはいけない』という驚きの説もありましたが、もちろん迷信です。体重1kgあたり50~100ml(1日量)の水が必要です。

飼育下での食事

野生下では様々な種類の植物を食べているウサギですが、飼育下では飼い主さんの選ぶ食事がすべてになります。
手作り食も素敵ですが、ウサギに必要な栄養成分を毎食計算するのはちょっと大変。栄養バランスを調整した「ペレット(総合栄養食タイプ)」であれば、手軽にしっかりと栄養を摂ることができるため、今は「牧草とペレット」をメインに与えるのが主流になっています。

野生下で食べているものに近く、時間をかけて歯をこすり合わせて食べられる「牧草」は、ウサギにとって重要です。
牧草に多く含まれる繊維質には、栄養成分ではなく、腸の動きを活発にする働きもあります。
牧草には刈り取ったそのままの状態の「生牧草」もありますが、天日干しで乾燥させた「乾牧草」が主に使われています。
乾牧草とペレットをメインに、食事のバリエーションとして野菜や野草等をプラスし、ウサギの食生活を満たしてあげましょう。

●牧草の特徴・種類

ウサギにおすすめの牧草には、イネ科・マメ科のものがあります。牧草の種類によって味はもちろん、栄養素も違います。
チモシー等のイネ科の牧草は、低カロリーで高繊維質。体ができあがった大人のウサギにおすすめです。
アルファルファ等のマメ科の牧草は、たん白質・カルシウムが豊富で高栄養です。成長期の仔ウサギにはこちらが良いでしょう。
味や匂い、硬さ等によってウサギの食いつきは変わります。好みに合うものを見つけてあげましょう。

【アルファルファ】
マメ科。たん白質・カルシウムが多く、成長期の仔ウサギや高栄養を必要としている時期におすすめです。好んで食べてくれる子が多いですが、大人ウサギの主食には向かないのでおやつ程度に。

【チモシー】
イネ科。最も多く、大人ウサギの主食として与えられている牧草です。
その年の最初に刈り取ったものを「一番刈り」、その後に再度育ったものを刈ったものは「二番刈り」「三番刈り」と呼びます。「一番刈り」はかたくしっかりしていて繊維質が多く、二番、三番となるにつれてやわらかくなっていきます。

【オーツヘイ】
イネ科。チモシーより糖分が高く、嗜好性の高い牧草です。猫用の草として販売されていることもあります。

【イタリアンライグラス】
イネ科。家畜の飼料としても多く栽培されています。やわらかく、嗜好性の高い牧草です。

●ペレットの特徴・種類

ペレットの一番の長所は、栄養バランスが良い点です。牧草や野菜だけでは摂りにくいたん白質やビタミン・ミネラル類を、バランス良く、手軽に与えることができます。
ペレットには、目的に合わせて様々な種類があります。総合栄養食以外にもおやつタイプや牧草ペレットがありますが、ここでは総合栄養食ペレットを紹介します。

【年齢別ペレット】
仔ウサギ用、大人ウサギ用、高齢ウサギ用等があります。
仔ウサギ用は体を作るための高栄養設計、高齢ウサギ用は加齢に配慮したサプリメント成分が追加されている等、年齢に合わせた配合設計がされています。

【種類別ペレット】
ウサギの種類に合わせた配合設計がされています。品種による性格や体質の特徴に合わせて、サプリメント成分の配合や栄養の調整を行っています。

【粒のかたさによる違い】
主にハードタイプ・ソフトタイプがあります。ハードタイプは粉末原料をぎゅっと押し固めたタイプです。ソフトタイプは粒に空気を含ませて発泡させる方法で作られており、ハードタイプに比べて軽めの歯ごたえになります。現在は、ソフトタイプのペレットが主流です。

牧草・ペレットの給与量

牧草は食べたい分だけ食べられるよう、切らさないように入れてあげてください。
ペレットはメーカーによって給与目安量が異なるので、パッケージに記載されている体重からの目安量をもとに、他に与えているものがあればその分減らしてください。
どの量がウサギにちょうど良いのかは、運動量や年齢によっても変わり、ウサギそれぞれで異なります。太ってしまっていないか、逆に痩せてきていないか、継続的に体重を量って確認し、ペレットの量を調整してみてください。