腫瘍に関しては予防するのは難しいですが早期発見・早期治療が重要です!!
しっかり知識をつけておく事が大切です。

腫瘍とは

はっきりとした原因は不明ですが、1歳半を過ぎた高齢期に差し掛かると
腫瘍になりやすい傾向があります。
また、ゴールデンハムスターよりもジャンガリアンハムスターに多くみられることから
遺伝的な要因や環境要因、細菌やウイルスに感染することなどが考えられています。

腫瘍の種類によって症状は異なりますが、初期段階はほとんど無症状で、
腫瘍が大きくなってくると、元気がなくなり食欲が低下してきます。

病院を受診するとまずは問診視診触診を行い、
さらに詳しく調べる場合はしこりの部分を切り取って顕微鏡で細胞の観察をする「細胞診」を行います。
また、必要に応じてレントゲン検査や超音波検査を実施することもあります。

検査結果を踏まえて基本的に麻酔をかけ外科手術で腫瘍を摘出しますが、
高齢や悪性腫瘍の場合は麻酔から醒めずに亡くなってしまったり、
術後に衰弱死する可能性があります。
そのため外科手術が困難な場合には、薬を使った内科療法をおこないます。

◆予防が非常に難しい為、早期発見・早期治療が大切です。

しこりが小さく年齢が若いほど検査もしやすく手術の成功率が上がります。
そのため、日頃のお世話をしている中でハムスターの身体(特にお腹側)を触り               観察を行うようにしましょう。
万が一、赤みやしこりのようなものを見つけた場合は様子見せずに                     すぐに動物病院へ連れていくようにしてください。

ハムスターに多い腫瘍

ここからは代表的な腫瘍の種類をご紹介します。
ハムスターの腫瘍は大きく分けて、ジャンガリアンハムスターに多くみられる体の表面にできる体表腫瘍
ゴールデンハムスターに多くみられる血液を介して様々な臓器へ転移する血液系腫瘍が存在します。
種類によって症状なども変わってきます。

体表腫瘍

●乳腺腫瘍
胸部や下腹部に見られる腫瘍で、雌のジャンガリアンハムスターに多く見られます。
良性または悪性の可能性がありますが、外科手術で摘出して病理検査を行わないと
正しい判断はできません。
●乳頭種
ハムスターの皮膚や粘膜によく見られる良性腫瘍です。
いわゆるイボで、理由なく発生する場合とパピローマウイルスによって発生する場合があります。
外科手術で切除した後は良好ですが、再発や多発することもあります。
●非定型線維腫
ハムスターの胸部や腹部、脇下に見られるドーム形に膨れ上がる良性腫瘍です。
ジャンガリアンハムスターの雄に多く見られ、アンドロゲンという男性ホルモンが関与していると
考えられています。
・扁平上皮癌
ハムスターの顔や手足によく見られる悪性腫瘍です。
初期症状は赤く少し腫れる程度なのでみつけにくく、次第に腫れが大きくなってきます。
転移は稀です。

 

血液系腫瘍

●リンパ腫
リンパ球(血液細胞)が腫瘍化した悪性腫瘍で、完治が困難とされています。
ゴールデンハムスターに多く見られることから遺伝的体質が関係していると考えられています。
また、年齢による免疫力の低下も一因と考えられています。
耳・首・足の付け根・頬袋・お腹にできたしこりが大きく成長します。体表にかさぶたや脱毛がみられ、
次第に強いかゆみ・膿の臭いがするようになります。
明らかな症状が出ている場合は、重症の可能性があります。
●形質細胞腫
首~胸元にかけて特徴的な大きなできものができる良性腫瘍です。
唾液腺に発生する場合が多く、血管や神経に癒着してしまうため摘出することが困難で、
たとえ摘出できたとしても再び同じ場所に再発する可能性があります。
唾液腺は頬袋の下に位置しているため、頬袋にご飯を溜め込んだり丸まってしまうと見えにくく、
発見したときにはすでに大きくなっている場合がほとんどです。
主にゴールデンハムスターに見られます。

◇治療方法

外科手術
リンパ腫以外の腫瘍において、全身麻酔による外科手術が第一選択とされています。
※腫瘍ができた部位によっては摘出することができません。

化学療法
リンパ腫の場合は化学療法として抗がん剤治療を行います。
ただし、副作用が強く出ることもあり抗がん剤を使用せず、ステロイド・免疫賦活剤・抗生剤などの
対症療法に変更することもあります。
少しずつ病状が進行していくため、一定期間でも苦痛を和らげ健康状態を良好にしてあげることが重要になってきます。

☆治療方針は、獣医師とよく相談した上で決めるようにしてください。

◇予防

予防するのは非常に難しいのですが、
免疫力を低下させないために、ストレスの少ない飼育環境を整えてあげる事が大切です。
具体例:適切な温度(20~26℃)・湿度(60%以下)管理を行う。
日光を避け、怪我をしやすい2階建てケージは使用しない。
複数飼育は避ける。
ケージ内を清潔にし、怪我を起こしにくい環境づくりを心がけましょう。

いかがでしたか?
今回はハムスターの腫瘍についてでしたが、腫瘍以外にもハムスターがかかりやすい病気はたくさんあります。
ハムスターは病気やケガを隠す性質があるので、日頃から様子をよく観察してあげてください。
少しでも異変を感じたらすぐに動物病院へ連れて行ってあげて下さい。