多くのインコたちは水浴びが好きで、水浴び用の器からではなく時には飲み水用の水入れで行ったりもしています。
しかし、飼い主さんの中には「うちの子は水浴びをしようとしないけど、させた方がいいの?」や「なんで水浴びをするの?」などと疑問に思っている方もいらっしゃることでしょう。
今回は、どうしてインコたちは水浴びを行うのか、行う理由や方法などをまとめてみました!
*水浴びをする理由
水浴びをするのには、3つ理由があります。
・身体に付いた汚れを落として清潔にしている
私たちがお風呂に入るのと同じで、インコも水浴びをすることで羽根に付いてしまった汚れを落としています。汚れの原因となるのは、脂粉(人間でいうフケのことで、白い細かい粉をしている)、ダニなどの寄生虫やホコリなどです。
脂粉を好物にしている寄生虫がいるので、水浴びをすることで羽根の健康を維持しています。
・体温調節
インコは、口や足の羽毛の少ない部位で体温を調節しています。なので、夏場など気温が高くなってくる時期の水浴びは、体温を下げる役割があって熱中症対策にもつながります。
・ストレスの発散
室内飼育しているインコたちは、野鳥のように外を自由に飛び回ることができません。そのため、ストレスが溜まってしまって毛引き症や自咬症といった問題行動につながってしまうことも…。
水浴びをすることで、フラストレーションを発散し毛引き症などの問題行動の予防にも効果があります。
*水浴びの方法
水浴びの方法も代表的なものとしては、3つあります。
①浅い容器
底が深すぎずかつインコがすっぽりと入ることができる広めの浅い容器を用意します。
容器を使うと、インコが自由に水浴びをすることができます。
しかし、この場合だと広範囲に水が飛び散って濡れてしまうので、濡れても大丈夫な場所でさせましょう!
☆私が以前飼っていたオカメインコの場合は、100均で売っている陶器製のグラタン皿のような平たく浅いお皿を用意し、放鳥の時間に水浴びをさせていました。
②バードバス
床などに平置きして使用するタイプとケージに外付けをするタイプの2種類あります。
・床に置くタイプ
陶器製やプラスチックでできた物があります。
陶器製は、重量があるのでインコが乗っても容器が傾かずに汚れも落としやすいです。
プラスチック製は、軽量かつ扱いやすく容器の形も工夫されていてバリエーション豊富です。
・外付けタイプ
透明カバーが付いているため水が飛び散ったり、ケージ内が汚れる心配が少なくなります。
ただし、このタイプは空間が狭い作りなため、小型のインコでも体が大きなインコにも不向きな場合があります。
③霧吹きなどのスプレー
①や②と比べると、それほど準備や手間にかからずに洗い落とすことができます。
しかし、スプレーによる水浴びというのは人間でいうシャワーに該当します。人間でもお風呂に入った方が、入浴効果があるのと同じでストレス解消という点からも①や②が良いかもしれません。
中には上記3つの方法を嫌がり水浴びをしたがらない子もいます。
その場合、野菜の葉を水で濡らして置いておくという方法もあり、インコが身体をスリスリして湿らせる行動をとる子もいます。
十人十色なのでその子にあった方法で水浴びをさせてあげましょう!
*水浴びの際の注意点
・必ず常温の水で
「暑いから冷たい水」、「冬だからお湯を入れてあげよう」というのは、決してしないでください!
冬場は特に策向くなってしまわないか心配になるお気持ちはわかりますが、お湯は使用しないようにしましょう。
お湯はインコの羽根に必要な脂を落としてしまうからです。
羽根は薄い脂の膜でコーティングされていて、その膜には水を弾く効果があります。
撥水(はっすい)性が失われてしまうと乾くまでに時間がかかり、体温が下がることで体調不良の一因になる可能性があります。
・新鮮な水を使う
水浴びが大好きすぎて頻繁にしたり、飲み水用の水入れですると直ぐに汚れてしまい、夏だと水の鮮度も落ちやすくなります。水が汚れたり濁ったりしたらこまめに交換し、使用した容器もスポンジなどでしっかり洗ってキレイな状態を保ちましょう!
・雛の時期は控える
まだまだ成長途中で免疫が十分に備わっていないため、水浴びをすることで体温が下がって衰弱してしまう恐れがあります。ある程度、大人になってからでも遅くはないので、大人の羽根に完全に生え変わる生後4~5カ月頃まで様子をみましょう。
汚れが目立つようなら、濡らしたガーゼなどで拭き取ってあげると清潔に維持できますよ!
そして水浴び後は、自然に羽根が乾燥しますので乾かすための何かを行わなくても大丈夫です。
『水浴び』という1つの行動だけでインコたちにとってどれだけ必要なことなのか、お分かりいただけたかと思います。
ただ、私たち人間でも泳ぎに得手不得手があるように、インコたちも水浴びが大好きな子もいれば、苦手だったり、全くしない子もいます。
水浴びをしなくてもあまり気にせず、することを強要してしまうとそれがかえってストレスになってしまうので無理に行う必要はありません。
水浴びの方法も個体差があるので、その子に合うものかつ楽しく水浴びができるように環境を作ってあげましょう!