小鳥たちの全身を覆っている“羽”。
羽のことを羽毛と呼んだりしますが、その羽にはいったいどのような役割があるのでしょうか。
羽の役割について学んでいきましょう!

*羽毛について

小鳥たち(鳥類)が他の動物たちと異なるところは【羽毛】があるということです。
羽毛は、爬虫類の“鱗”、私たち哺乳類の“体毛”に該当します。
羽毛が占める割合は体重の約10%とされていて、セキセイインコで例えると2000~3000枚の羽毛があるといわれています!

*羽毛の種類

羽毛は、正羽(せいう)・綿羽(めんう)・毛羽(もうう)の3種類に分けられます。

1.正羽

体にある平らな羽のことで、真ん中に羽軸と呼ばれる軸が1本通っています。
翼にある風切羽(かざきりばね)、尾にある尾羽(おばね)が含まれます。

2.綿羽

正羽にはある羽軸がほとんど無く幼鳥では体の表面を覆っていて
成鳥になると正羽の下に生えるようになります。

3.毛羽

被毛状が退化した羽毛(ヒゲ)をいいます。
ヒゲは写真のオカメインコだとわかりやすいですが、嘴や目の周りに分布していて感覚毛として働いています。

その他には…、
オカメインコやバタンなどが体を震わせた時に舞う白色の粉は“脂粉”と言われるもので、
紛綿羽という羽毛の先が崩れて粉になったものです。
羽毛と羽毛の密着性を高めたり、羽毛を防水する効果の役割があります!
ペットだと前述したオカメインコやバタン類に多く、野鳥だとサギ・ハト・フクロウなどに見られます。

*羽毛の役割

1.飛ぶため

飛行には翼にある風切羽と尾にある尾羽が役立っています。
<風切羽>
飛行時に、前へ進む力と上昇する力を担っています。
翼の上の方にある小さな羽(青色で囲った箇所)が、飛行中に翼の角度が増した時に発生してしまう空気の乱れをコントロールして上昇する力をキープしています。
<尾羽>
飛ぶ方向の舵・着陸する時の空気抵抗によるブレーキ・上昇している時の平衡をとる、これらのことに使われます。
また、排泄するときや交尾をする際に尾羽を上げることでこれらの行為の助けになります。

飼育本などで『クリッピング(翼にある風切羽を切ること)すると
飛べなくなるので不注意で逃がしてしまうことが少なくなる』
といった内容が記載されているのを見たことがある方もいらっしゃると思います。
クリッピングすることで脱走防止になるメリットもありますが、
鳥さん自身は“飛べない事”を認識していない為飛ぼうとしても
飛べないため落下し怪我をしてしまう…というデメリットもあります。
必ずしもしなければいけないということはなく、
メリット・デメリットがあるということを踏まえたうえで
どうするか飼い主さんが判断してあげてください。
考え方は皆さんそれぞれ異なるのでどちらが良いとは正直言いきれません…。

 

*クリッピングする場合の注意点
翼の外側4~5枚目の先の部分のみ(赤色矢印の先まで)を切るのですが、
うまく切ってあげないと羽が折れてしまったり、誤って血管が通っているところを
切ってしまい出血させてしまうことも…。
心配であれば一度かかりつけの動物病院でご相談されてみても良いのかもしれません。

2.防風・防寒のため

<正羽>
足先以外の体の外側全て覆われていることで、
雨風・夏場などの強い日差し・外傷・ほこりなどから身を守っています。
<綿羽>
空気を沢山含んでいて、体と外側をこの空気で遮断することによって優れた保温性を持っています。
また酷暑では正羽が綿羽を押し縮めているので熱を逃がしやすくなり、
反対に寒いときは綿羽を膨らませる(膨羽)ことで保温性が高まります。

その他の役割としては、威嚇や求愛といった表現をするため、身の危険を守るため、
産卵に備えたり巣作りとしても重要な役目を担っています。

 

いかがでしたか?
小鳥たちの羽の役割などを知っていただける機会になったのかなと思います。
次回は、皆さんが一度は見聞きしたことがあるであろう、『換羽や毛引き』についてご紹介したいと思います。