ウサギの飼育環境➀ではケージの種類や設置場所など快適に過ごせる環境作りについてご紹介しました。
今回は更に快適かつ衛生的に過ごす為の『床材』『ハウス』『食器・給水器』『トイレ』などについて考えてみましょう。

床材

ケージの床部分には金網が使用されている事が多いと思いますが、
ウサギの足裏を保護するため底網の上に金網以外の床材を敷くことをおすすめします。

床材には主に木製プラスチック・樹脂製の2種類があります。

木製 プラスチック・樹脂製
良い点 ・噛じることでストレス解消になる。

・体格の良い個体に向いている(耐久性が高い傾向にある)。

・軽量で扱いやすい。

・表面が滑らかなので、拭き掃除や水洗いがしやすい。

気になる点 ・汚れが染み込むのでこまめに洗う必要がある。

※乾燥するまで時間がかかる。

・洗い替えとして2~3枚程度必要。

・耐久性が低い。

・体格の良い個体や活発に動く個体の場合、衝撃で割れる危険性がある。

・傷がつきやすい。

その他の床材としては牧草マットコルクマット布製マットなどがあります。
牧草マットは齧って食べても安心ですが、尿などで汚れると不衛生なのでこまめに買い替えないといけません。
コルクマット、布製マットは齧り癖のある個体の場合齧ったものがお腹に詰まってしまう事もあり危険です。
それぞれうさぎの性格や体格などに応じたものを選び、尚且つ飼い主が手入れしやすいものを選ぶと良いでしょう。

ソアホックについて

 

ソアホックは足裏の皮膚がタコのように固くなり炎症を起こす病気で、『足底皮膚炎』とも言います。
ウサギの足裏には肉球がなく、厚い被毛が皮膚を保護しています。
しかし、足裏に大きな負荷がかかると血行が悪くなり、その結果ソアホックを引き起こしてしまいます。
指先や踵などに重心がかかることが多く、不活発な状態だと踵に重心がかかり発症しやすいので要注意です。まれに前足の裏にも発症することがあります。

【症状】
最初は被毛が薄くなり、脱毛が進むと膿が溜まり膿症になり厚いかさぶたが作られその後赤くただれます。
それが悪化すると潰瘍となり、最悪骨まで達する事もあります。そうなってしまうと骨髄炎や敗血症を起こすリスクが上がります。

ソアホックを防ぐための1つの方法として、足裏にできるだけ負担がかからない床材を選んであげることも大切です。

ハウス

◇巣箱

 

必ず必要なものではありませんが、ウサギにとって隠れる場所があるとより安心して過ごすことができます。
巣箱には木製のもの、チモシーや天然草を編んだものがあります。

・木製…隠れ家として使用することができる。齧ることで歯の伸びすぎを予防する効果がある。
・チモシーや天然草で編んだもの…巣箱を兼ねたおもちゃとして使用できる。誤って食べてしまったと
しても食物繊維を摂取できるので安全。

巣箱の中で方向転換できるぐらい余裕がある大きさのものや、掃除がしやすいものを選ぶと良いでしょう。

◇その他

 

齧らない個体には布製のものやトンネルをウサギのハウスとして使用することもできます。

・布製…柔らかみがあり触り心地がよく、保温性もある。冬場に暖をとることができる。
・トンネル…筒状をしているもので長さの定義は決まっていないため、長いトンネルや複雑な形をしたも
のは好奇心旺盛なウサギに向いている。ただし設置する場所をとり掃除が大変になる。
短いトンネルだと何度も中に入ったり出たりして遊ぶウサギもいる。また、まめに掃除をすることがで
きて衛生的です。

食器・給水器

◇食器

 

ウサギが倒したりせず、食べやすい形で衛生的に扱えるものを選びます。
陶器製やステンレス製がおすすめです。
プラスチック製の場合は齧ったり、引っかいたりして傷つきやすいので適切な時期に交換する必要があります。
金網に取り付けるタイプと床に置くタイプがありますが、床に置くなら重みのあるものをおすすめします。

◇給水器

 

給水ボトルは先端にノズルが付いたものと水の溜まるお皿が付いたものがあります。どちらもウサギが飲みやすい位置に取り付けてください。
床に置く場合は、ある程度の深さがあり重みがあってひっくり返しにくいものがベストです。
いずれの場合も汚れやすいので水をこまめに交換してあげましょう。

トイレ用品

◇トイレ

 

ウサギは決まった場所に排泄する習性があります。
ケージに余裕があればケージのコーナーに三角形や四角形のトイレを用意してあげてもいいかもしれません。
尿を飛び散らすウサギならトイレ背面部分の壁に高さのあるものなど個体に合わせたものを選ぶようにします。
トイレ容器を嫌がる個体にはトイレにする所の金網の下にペットシーツやトイレ砂を敷きます。

◇トイレ砂・シーツ

 

トイレ砂には木の粉を固めたタイプやおからを使ったタイプ、紙製などいろんな種類があります。
トイレ砂を使用する場合の注意点として、固まるタイプのトイレ砂は排泄する際に生殖器について固まってしまうリスクがあるので固まらないタイプの砂を使用するようにしましょう。
ペットシーツも四角形の他に三角形のトイレ容器に合わせたものもあります。
犬や猫用のトイレ砂やペットシーツを利用することも可能です。

季節対策用品

 

暑さや寒さに対する対策は基本的にはエアコン活用にはなりますが、それ以外にもケージで利用できるものもあります。

☆冷感マット・プレート
エアコンを活用しても室温を上手に調節できない時などに使用することができます。
ケージ内に入れることができ、ウサギ自身で涼を取ることができます。
ウサギが齧っても安全な商品を選ぶようにしましょう。

☆ペットヒーター
ケージの中の床に置くものと外側から暖めるものがあります。
ケージの下に敷くタイプのものは、ウサギが上に乗らないと意味がありません。必要になりそうな時期に電源を入れない状態でケージに入れて慣らしましょう。この際に注意する事としてはコードを齧っていないか、熱くなりすぎていないかを確認するようにします。

☆その他
上記のものを購入する以外にも飼い主自身で工夫して手作りする事も可能です。
例えば…
・ひんやりハウスを作る
ペットボトルやタッパーを使用して氷を作り、ケージの上下や横に設置します。
そうすることで冷気を閉じ込めた空間を作ることができます。氷を使用するので冷え過ぎてしまう恐れもありますが、ケージに氷を設置できるような環境にしておくと万が一エアコンがつけられないような災害時の時にも役立ちます。

ホームセンターや通販などで色々な用品が売られています。
それぞれ家の環境であったりウサギさんの性格などに合った
ものを選択してあげて下さい。

 

ウサギの体調や年齢によって快適な環境は変化します。
少しでも快適に過ごせるようにケージ内の環境を時々見直してみてはいかがでしょうか。