ウサギの歯の病気というのは、ウサギの病気の中でも約20%を占めると言われています。
ですが、普段の生活から意識しておくことで発生リスクを下げることができる病気も多いです。
毎日の生活でチェックできるようにウサギの歯の病気について知っておきましょう!
不正咬合
ウサギの歯の病気で一番多いとされているのが不正咬合です。
ウサギの歯は一生伸び続ける常生歯ですが、繊維質が豊富な食餌を咀嚼することで歯の表面をすり減らしています。それによって、健康な歯と正常な噛み合わせが維持されているのです。
この不正咬合とは、切歯や臼歯が過剰に伸びたことで歯の噛み合わせが悪くなり、結果として口腔内の痛みや細菌感染を引き起こすことがあります。
ウサギの歯は口腔内だけでなく、歯の根っこ(歯根)の方に向かっても伸びていきます。
そのため、不正咬合になり歯根が伸びてくると歯根部に細菌が入り込み、感染を引き起こし膿瘍(膿の溜まった袋状のもの)ができます。この状態を根尖周囲膿瘍(歯根膿瘍)といいます。
【原因】
●食餌
繊維質の少ない食事は不十分な咀嚼回数となります。
その結果、歯のすり減りが行われず歯が過剰に伸びたり、変形したりします。
またカルシウムの少ない食餌によってカルシウム不足を引き起こすと、歯を支えている骨の歯槽骨に異常をきたし、不正咬合を引き起こすこともあります。
●外傷
歯や顎の外傷も不正咬合の原因となります。
落下事故や人に踏まれたり、金属の格子などの歯より硬いケージを噛んだり引っかいたりして歯が折れてしまうこともあります。
【こんな症状に注意!】
・よだれを異常な量垂らしている
・食欲が低下または無い
・口周りが汚れている
・口周りが腫れている
・口周りを触られるのを嫌がる
・目やにや涙が出ている
【治療方法】
基本的には、伸びすぎた歯を切ったり削ったりします。細菌による感染症を起こしている歯は抜歯する場合もあります。
【予防】
不正咬合は一度なってしまうと、再発しやすいと言われています。予防するためには食事に気を付ける必要があります。
では、具体的にどんなことに気を付ければいいのでしょうか。
・牧草を中心にペレットや野菜を組み合わせて与える
ウサギは牧草などの硬い植物を食べることで歯をすり減らしています。
野菜や粗繊維含有量の少ないペレットでは歯の咬耗と摩耗が不十分になってしまうので注意しましょう。
また、牧草はマメ科のアルファルファなどに比べて高繊維なイネ科のチモシーがおすすめです。
・ペレットの選び方に注意する
ウサギのペレットを選ぶ際、商品のパッケージの裏面の保証成分の記載を確認してみましょう。
歯の健康維持に関連する栄養成分である粗繊維は20%以上、カルシウムが0.4%以上含まれているのが理想とされています。
ウサギは常にお腹を動かしていないといけない動物なので、ウサギにとってご飯が食べられないことは重大な問題となります。
歯はなかなか見えづらい所かもしれませんが、普段のふれあいやウサギの様子からおかしなところはないかチェックしましょう!