多くのウサギは、食べるものに対してなかなか頑固です。
初めて買ったペレット、お試しでもらった試食品。興味深く匂いを嗅ぎはするものの、そのまま食べてくれるかというと……?
ぷいっとそっぽを向いてしまったり、時にはフード入れをひっくり返してしまったり。
もちろん、初めてのものでも平気で食べてくれる子もいますが、どちらかというと少数派かもしれません。

また、「ずっと同じペレットをあげているのに急に食べなくなってしまった!」という経験がある方も多いかもしれませんね。
 
「お腹がすいたら食べるかも」というチャレンジは、困ったことにウサギにはあまり通用しません。
多くのウサギは、食べたくないと思ったものは、どんなにお腹がすいても食べないのです。
ウサギのこだわりは、牧草や野菜等すべての食べ物に対して見られ、もちろんペレットに対しても発揮されます。
今回は、ペレットに対しての「ウサギの嗜好性」について見ていきましょう。

初めてのペレット

初めてあげてみるペレットは、正直なところ、食べてくれないことも多いです。
もし食べてくれなくても、ここからがスタート!
今まで食べていたペレットに少しずつ混ぜてみて、ゆっくり慣れてもらいましょう。
最初からスムーズに食べてくれた場合も、今までのペレットに混ぜながら徐々に切り替えるのがおすすめです。急に全量変えてしまうと、使用原料や成分の違いに腸内細菌がすぐに対応できず、軟便などを起こすことがあります。

急に食べなくなってしまったときは

今までよく食べていたペレットを、急に食べなくなってしまった。そんなとき、どういう原因が考えられるでしょうか?

①体の具合が悪い
普段と体調が異なるときは、食べ物の硬さや大きさ、好み等によって、食べる・食べないがわかれることがあります。そもそも、具合が悪く食事自体ができなくなっているのかも。この場合は、病院の診察が必要になってきます。

②病気にかかって治療をした
大きな病気の後には特に、食事の好みが変わることがあります。

③夏の暑さ、冬の寒さなどの「気温」
季節の変わり目も要注意です。

④環境の変化や騒音による「ストレス」
引っ越しによる環境変化、工事やテレビの騒音などでストレスを受けると、食欲にも影響が出ることがあります。

⑤ペレットの変化
同じペレットのはずなのに「ペレットの匂いが変わった」とウサギが感じることで、食べなくなることもあります。
元気だけどペレットだけ食べない、食べたそうに匂いを嗅ぎに行くけどぷいっと顔をそむける、フード入れをひっくり返す……そんなときは、ペレットに違和感を覚えているのかもしれません。

ペレットの匂いの変化について

上記⑤「ペレットの変化」について、さらに詳しく見ていきましょう。

●開封後、使用途中で食べなくなったとき
開封してから日が経っている場合、保管状況にもよりますが、ペレットの匂いが飛んでしまったり湿気を吸ったりしてペレットの匂いが変わることがあります。匂いが変わってしまうと、ウサギはおいしく感じなくなり食べなくなることがあります。
開封後は密封容器で保管したり、なるべく早めに使い切るのがおすすめです。
なお、体調や歯の具合が急に悪くなってしまったという場合もあるので、新鮮なペレットに変えてみても食べない時は、病院へ相談するのもひとつです。

●新しい袋を開けたら食べなくなったとき
「今まであげていたペレットなのに、新しい袋にしたら急に食べなくなった」という場合も、ウサギが匂いの違いを感じていることが多いです。
多くのペレットは、牧草や穀類など天然の原料を多く使用しているため、原料自体の匂いや味が仕入れ時期などによってばらつき、ペレットの匂いが変わってくることがあります。
ウサギの敏感な嗅覚には、それも大きな違いに感じられるのかもしれません。

 
 
さて、新しく買って食べなかったペレットや、匂いの飛んでしまったペレット。
あきらめずにウサギに食べてもらうには、どうすればいいのでしょうか?
次回は、ペレットに慣れてもらう様々な方法を説明します♪