『ウサギの嗜好性とペレット【前編】』では、新しいペレットへのウサギの反応や、ペレットを食べなくなる要因等を見ていきました。
年齢に合わせてペレットを変えたり、いつものペレットが急に買えなくなったりと、ペレットを切り替えなければならないことは時々あります。また、ペレットの種類を変えていなくても、敏感なウサギだと微妙な匂いの差で食いつきが変わることがあります。
そんなとき、どうすればスムーズに食べてくれるのでしょうか?
今回はペレットの切り替え方・慣れさせ方に焦点を当ててみましょう♪

別の種類のペレットへ切り替えるとき

別の種類のペレットに変えるときは、「今まで食べていたペレットに、新しいペレットを少しずつ混ぜる」のが基本です。
「知らない匂い」を「いつも食べている匂い」に混ぜ込んで、ゆっくり慣れてもらいます。
 
最初は新しいペレット1割程度混ぜてみます。ウサギが匂いに違和感を覚えない程度の少量にしましょう。(食べてくれない場合は、新しいペレットの量をもっと減らしてみます)
何日か続けてみて、問題なく食べてくれるようなら、今までのものを8割、新しいものを2割にします。
様子を見ながら、新しいペレットの割合を増やしていきます。「3割では食べたけど4割では食べない」となったら、4割から少し減らして、食べてくれる量でしばらく続けてみます。
こうして、最終的に全量を新しいものに切り替えます。

切り替えにかかる期間は、ウサギの好みにもよるので個体差が大きく、10日程で終わる場合もあれば1ヶ月以上かかることもあります。
様子を見ながら根気よく続けてみましょう!

なお、どれだけがんばっても、与えたいペレットをウサギが食べてくれない……ということも、残念ながらあります。
そういうときは、日を開けて再チャレンジしたり、また別のペレットでトライしてみるのもひとつです。

【牧草原料の種類を確認!】
ペレットを切り替えたい場合、今まで与えていたペレットと、新しく与えたいペレットの原材料欄を見てみてください。
ペレットによって、使われている牧草原料の種類は様々です。たとえばアルファルファ主体のペレットとチモシー主体のペレット等、牧草原料が異なるものは、味や匂いの違いが大きくなるので切り替えに時間がかかることが多いようです。焦らず、ゆっくり続けてみましょう。

とはいえ、同じチモシー主体のペレットであっても商品によって匂いは異なりますし、ほんのわずかな匂いの違いでもウサギは頑固に食べてくれなかったりするのですが……。

食べなくなったペレットはどうすればいい?

匂いが飛んでしまったペレットや、同じ種類なのに匂いのわずかなばらつきで食べてくれないペレット等も、少しの工夫で食べてくれるようになることが多いです。
どの方法が合うかはウサギの好み・感じ方次第ですが、困ったときには、ぜひ一度試してみてください。

●別のペレットに混ぜる
前の袋の残りなど、食べてくれるペレットが別にある場合は、新しいペレットに切り替えるときと同じように混ぜて試してみます。食べるペレットに食べないペレットを少量(1割程度)混ぜてみて、全量食べるようなら徐々に割合を増やしていきます。
 
●匂いを立たせてみる
いつもに比べて匂いが弱いと感じるようなら、ペレットの匂いを少し立たせてみます。
電子レンジで少し温めてみたり、霧吹きなどで少しだけ水分を足すと匂いが立ちやすくなります。

●匂いを飛ばしてみる
ウサギによっては、あまり匂いが強くないほうが好みの場合もあるようです。フード入れに入れてしばらく風通しの良い場所に置いておくなどで、少し匂いを弱めてから試してみましょう。

●好きな食べ物をペレットに混ぜる
たとえばドライフルーツが好きな子でしたら、乾燥バナナや乾燥リンゴ等、砕きやすいドライフルーツを粉状に砕いて、ふりかけのように食べないペレットに混ぜてみます。好きなものの匂いがつくことで、喜んで食べてくれるかもしれません。(粉にせずそのまま混ぜると、好きなものだけ選んで食べてしまう可能性が高いです)
ただし、その味に慣れると、今度はフルーツ味を付けていないペレットを食べなくなってしまうこともあります。使いどころが難しい方法とも言えます。
 
 
工夫して試してみてもどうしても食べないときは、体調不良を隠している、という可能性もあります。
病院で診察を受けるのもひとつです。

いろいろなものを食べてもらおう

ペレットの切り替えが難しい子や、わずかな匂いの違いで食べなくなってしまう子は、普段から食べているものの種類が少ない子が多いようです。
ウサギは、食べられるものかどうかをまず匂いで判断しています。
食べたことがあるものが少ない子は、「匂いの経験値」が低いとも言えます。
イエスかノーかの判断基準が作られるのは、主に仔ウサギの時期だと言われます。小さい頃は、好奇心からいろいろなものを食べて味や匂いを覚えていきますが、大人になると警戒心のほうが強くなってしまい、「知らない」ものは食べにくくなってしまうのです。
とはいっても、大人ウサギでも、食べたことがないものを全く食べないわけではありません。
仔ウサギの時よりは抵抗が強いかもしれませんが、おいしそうな匂いがしたり、興味を持ったりしたものは食べてくれます。牧草やペレットだけでなく、いろいろな種類の野菜・野草等を少しずつあげてみてください。
食べられるものの「幅」を広げることで、食べ物に対する頑固さが、少しずつ弱まっていくかもしれません。
(与えていい野菜・野草かどうかは、きちんと調べてあげてくださいね!)