近年は様々な種類のウサギ用ケージが販売されており、ウサギが快適に過ごせるような工夫がたくさん施されています。
その反面、ケージ内のスペースだけでは比較的狭いことから十分な運動ができなかったりストレスを感じてしまうこともあります。運動やストレス発散、飼い主とのコミュニケーションをとる機会として「へやんぽ」を取り入れるのはいかがでしょうか?

今回はウサギの「へやんぽ」について考えていきましょう!

「へやんぽ」とは?

皆さんは「へやんぽ」という言葉をご存知でしょうか?

文字からなんとなく予想がつくと思いますが、「部屋×お散歩」の造語になります。つまり、ウサギを室内でお散歩させることを「へやんぽ」と言います。

「へやんぽ」をすることでウサギの運動不足解消やストレス解消となりますが、その一方で安全に「へやんぽ」をするには注意が必要です。

ここからは「へやんぽ」の具体的な方法について考えていきましょう♪

「へやんぽ」はどうすればいい?

●「へやんぽ」の頻度

「へやんぽ」の頻度は明確に決まっておりません。ウサギの性格や飼い主のライフスタイルによって変わってきます。

目安としては少なくとも1日1回、30分~2時間ほど行うと良いでしょう。
「へやんぽ」は毎日行うのが理想的ですが、ウサギ自身がへやんぽを嫌がっていたり体調が悪そうな時は無理にへやんぽを行うのはやめておきましょう。

●「へやんぽ」を始める時期

・お迎えしたての場合
ウサギをお迎えしてすぐの頃は、まだ新しい環境に慣れていない状態のため、「へやんぽ」は避けた方が良いです。
まずはお家と飼い主とのライフスタイルになれるまで様子を見ましょう。

・お家の環境になれた頃
初めての「へやんぽ」は、ウサギにとって不安や恐怖を感じる場合があります。
ケージから出ることに少し抵抗があるような場合には、優しく声をかけながら大好きなおやつ等を上手に用いて、怖くないことを教えてあげましょう。

中には初めての「へやんぽ」にも関わらず、好奇心旺盛な様子ですぐにケージから出てお部屋の中を走り回ったりする子もいます。
一方で、初めてのケージ外の世界に警戒心を抱く子や興味がなさそうな素振りで見向きもしない子もいます。

「へやんぽ」を一緒に楽しみたい気持ちが先走ってしまいそうになりますが、抱っこしたり、お尻をツンツンするなど、ウサギを無理に出すことは避けてください。

楽しい時間にするために、ウサギの気持ちとペースに合わせながら無理せずトライしてみましょう。

「へやんぽ」をする環境づくり

●サークルの使用

「へやんぽ」を行う際には、ウサギが安全に動けるスペースを作ってあげましょう。
ペット用サークルや赤ちゃん用サークルが一般的に使用されます。行動範囲を制限することにより、ウサギの安全を確保することもできます。

ウサギの「へやんぽ」用に使用するサークルを選ぶ際には、まず3つのポイントを確認しましょう!

【サークル選びの3つのポイント】

●高さ
ウサギはジャンプ力があるため、サークルの高さが低いものだと簡単に飛び越えてしまう可能性があります。
また、ギリギリ飛び越えられそうな高さでもウサギは好奇心から飛び越えようとし、怪我に繋がってしまうこともあります。

サークルを選ぶ際には、できるだけ高さのあるものにしましょう。

●材質
ウサギが齧って破壊しない材質を選択しましょう。
材質が薄いプラスチックの場合には、小さな隙間等に口を入れて齧り、脱出用の穴を作ってしまうことがあります。

種類によっては網目構造のものもあるので、網目の大きさにも注意が必要です。ワイヤー等の硬い素材でも網目が大きい場合には頭を入れようとしたり、さらに外側へ行こうとして噛じることもあります。
網目は口が入らない大きさのものを選択しましょう。

●安定性
「うさんぽ」中にサークル外の様子が気になって手をかけて寄りかかったり、テンションが上がってダッシュした際に曲がり切れずにサークルへ突進したり、リラックスするためにサークルの壁沿いに横になったりします。

不安定な構造になっていると倒れてしまう可能性があります。そのため「うさんぽ」中はウサギを見守りつつ、サークルが倒れないように物を置いたり、サークル自体を固定しておきましょう。

さらに、サークルを設置する場所も事前に安全確認が必要となります。

周囲にウサギが飛び乗れる高さの家具や置物はありませんか?
意図せずウサギが興味をもって登り、降りようとした際に骨折等の事故になることもありますので注意しましょうね。

●床材の確認

「うさんぽ」用スペースが確保できたら、床も忘れずにチェックしておきましょうね!
ウサギには肉球がなく、足裏まで被毛が密に生えています。

フローリング等は、ウサギが歩いたり・走ったりするには滑りやすい材質になります。
滑ってしまった際に骨折等の事故を防ぐためにも、床材もしっかりと適したものを準備しておきましょう。

「うさんぽ」用には、毛足の短い絨毯やフロアマットは滑りにくい素材でウサギが走り回るのにも適していることが多いです。

一方で、絨毯やフロアマットでも毛足の長いものは避けるようにしてください。
ウサギによっては齧り取って誤食・誤飲する可能性があります。また、ウサギが楽しく走っている際に足指や爪が引っかかって骨折や爪が折れてしまう可能性があります。

タオルを使用する方もいらっしゃいますが、ウサギが走った際に一緒に動いてしまい、事故に繋がることがありますので動かない床材を選択することが望ましいです。

へやんぽの注意点

「へやんぽ」のための環境づくりを終えたら、最後は全体確認を行いましょう。

【最後に確認しよう!】

●齧ってしまいそうなものはありませんか?
輪ゴムなどの口に入れられるサイズの小物、スリッパや本など齧られる素材の物がウサギの口の届く範囲に無いか確認しましょう。
これらは、齧るだけではなく、飲み込んでしまう危険性があります。

●コード類はありませんか?
忘れがちなのが電気コード類です。
齧った際に感電する可能性があり、とても危険です。齧ることができないようにハードカバーや柵をして、ウサギが近づけないようにしておきましょう。

●高い場所や狭い隙間はありませんか?
「うさんぽ」スペース内に家具がある場合には確認しておきましょう。
準備したウサギ用のおもちゃや木のハウス以外で入り込めそうな場所が無いですか?

おもちゃや木のハウスなど、登れる高さの場合には飛び降りても問題なさそうかもチェックしておきましょうね!

さいごに

いかがでしたか?

「へやんぽ」はウサギの運動や気分転換、そして飼い主と触れ合う時間になります。
小さなスペースでもケージの外に出られる場所が用意できそうなのであれば、毎日の生活に取り入れやすいお世話時間になります。

一方で、注意しなければならないことや時に危険なこともあるので、事故にならないように事前に対策をしておく必要があります。
楽しい「へやんぽ」中でも何が起こるか分かりませんので、必ずウサギから目を離さないようにしてくださいね。

事故に気を付けながら、「へやんぽ」を楽しみましょう!