ペレットの良いところとして、「栄養バランスが整っている」という点がよくあげられます。
とはいっても、「たん白質」や「カルシウム」がどんなふうに鳥さんに必要なのか?栄養素の名前は聞いたことがある方も多いでしょうが、あまりなじみがないかもしれませんね。
パッケージに記載されている『保証成分』は、どんな栄養素がどれぐらい入っているかという目安になります。
栄養素のはたらきや鳥さんへの影響も合わせて、保証成分の内容を見ていきましょう。

保証成分の見方

例:リトルバードセレクションプロ セキセイインコ用

●たん白質

筋肉や皮膚、内臓、血液など、体をつくる原料がたん白質です。たん白質はアミノ酸が結合してできています。
鳥では、くちばしや羽毛もたん白質からできています。体が作られるヒナの時期や羽が生え変わる換羽期には、特にたん白質の摂取が重要です。たん白質(アミノ酸)が不足したりバランスが悪かったりすると、羽毛の形成不全やくちばしの過長等が見られることもあります。

●脂質

活動のエネルギー源となります。たん白質や炭水化物よりも大きなエネルギーを生み出すことができます。
摂りすぎた脂質は脂肪となって体内に蓄えられ、肥満につながります。肥満は病気の温床にもなるため、注意が必要です。

●粗繊維

食物に含まれている難消化性の成分です。腸の働きを刺激したり、消化管内の環境を整えるはたらきがあります。

●灰分

骨格や卵殻の形成等に関係する成分です。カルシウム、リン、ナトリウム等のミネラルや無機物を含んでいます。

●水分

フードに含まれる水分です。ドライフード(ペレット)は一般的に、水分を10%以下にすることで品質を維持しています。

●ビタミン・ミネラル類

必要量は微量ではありますが、生き物にとっては大切な成分です。
各種ビタミン・ミネラルは、少なすぎても多すぎても体に影響があるものが多いため、バランスが大切です。
パッケージに書いてあるものは主な成分のみで、記載されていない成分もペレットには含まれます。

・カルシウム:骨や卵殻の形成に必要です。特に、産卵予定のメスにはしっかり摂らせる必要があります。
・リン:主に骨の形成等に影響します。カルシウムとのバランスが重要です。
・ビタミンA:発育や目の健康、肌の健康維持等に関係します。不足すると免疫低下や腎疾患が見られます。多く摂りすぎても過剰症のおそれがあり、肝障害などが見られます。
・ビタミンD:カルシウムの吸収に関係します。小鳥は直射日光で日光浴をすることで、体内でビタミンD3を合成できますが、ガラス越しの日光ではほとんどの紫外線がカットされてしまうため、合成できなくなります。ペレットやサプリメントを摂取することで、食事から補うことができます。

●エネルギー

「カロリー」は「エネルギー」と記載されていますが、「総エネルギー」や「代謝エネルギー」等、名称の異なるものは算出方法が違うため、単純比較できない場合があります。

総エネルギー:食べ物が持つエネルギー。
代謝エネルギー:食べ物の総エネルギーのうち、尿やフンとして排泄されるエネルギーを引いたもの=実際に動物の栄養になるエネルギー量。動物種によって異なる。

ペレットの種類によってどう違うの?

ペレットの種類(目的)が違うと、保証成分はどう変わってくるのでしょうか?
イースター製品を例に見てみましょう。

「セキセイインコ用」は「成鳥のための普段のごはん」で、「パフォーマンス<ペレットタイプ>」は「幼鳥期の挿し餌、繁殖期・換羽期の栄養補給のためのごはん」です。
「パフォーマンス<ペレットタイプ>」は、「セキセイインコ用」に比べて全体的に栄養価が高めです。成長期・繁殖期・換羽期にはたくさんの栄養が必要なので、体や羽を作るためのたん白質や、骨等の形成のためのカルシウムが多くなっています。
これは成長等のためには必要な栄養ですが、体ができ上がった大人の鳥さんの日常生活には、それほど高栄養のごはんは必要ありません。同じように与えていると、栄養過多で太ってしまうかも?
なので、成長に合わせて、「ヒナには高栄養ペレット→成鳥になったら成鳥用ペレット→換羽期には高栄養ペレットを混ぜる」等と切り替えていくのがおすすめです。