夏の暑さから解放され、秋晴れの気持ち良い期間も近年はあっという間に終わってしまいます。私たち人間が急な寒さで体調を崩しやすいのと同じように、ハムスターにおいても急な温度変化は大きなストレスになります。
ハムスターが快適に冬を過ごせるようにするには、どんなことに気を付ければいいのでしょうか?
今回はハムスターの冬の過ごし方について見ていきましょう!

ハムスターは寒さに弱い?

ハムスターの寒さへの耐性を知るためには、彼らの野性下での生活を考えると分かりやすいです。
ハムスターは野生下では地下に巣穴を作り、普段はそこで生活しています。
天候などに左右されやすい地上と比べて、地下は温度がある程度一定に保たれています。そのため、ハムスターは厳しい暑さや寒さに対応できないのです。

快適な温度と湿度

ハムスターが生活するうえで理想的と考えられている温度は20~26℃であり、湿度は40~60%です。
12月になると朝晩はかなり冷え込み、地域によっては気温が氷点下になることもあります。ハムスターにとって日本の冬は厳しい寒さと言えるでしょう。
湿度については日本は比較的多湿のため、冬であっても問題となることはあまりありませんが、温湿度計で管理して湿度が低いようであれば加湿の必要があります。

寒さがハムスターに与える影響

疑似冬眠

ハムスターが冬を迎えるにあたって最も気を付ける必要があるのが、「疑似冬眠」です。
クマなどでよく知られる「冬眠」は一時的に代謝を下げてエネルギーの消費を抑えることで、食べ物が少ない冬を乗り越え、温かい春に目覚めるというものです。
しかし、ハムスターの「疑似冬眠」は低体温症やエネルギー不足によって引き起こされるため、そのまま放置すると死亡する可能性が高いです。

疑似冬眠をしてしまったら・・・

ハムスターが疑似冬眠をしてしまった時には温めることで覚醒する場合があります。
ハムスターを温める際はドライヤーやストーブなどで急激に温めると心臓への負担が大きいため、人間の手やタオルで包んだカイロなどでゆっくり温めるようにしてください。
これらはあくまで緊急対応のため、覚醒した場合は一度動物病院を受診するようにしてください。

ハムスターが安全に寒い時期を過ごすにはどうすればいいのでしょうか?
ここからはハムスターの冬の飼育環境についてご紹介します。

冬の飼育環境

厳しい寒さからハムスターを守るためには、飼育環境を整える必要があります。
基本的にはエアコンや暖房でハムスターのケージを置いている部屋の温度を20℃以上に保つようにしましょう。ハムスターのケージの近くに温湿度計を設置することで温度や湿度を管理しやすくなります。

ヒーターの使用

エアコンや暖房で室温を管理すると同時に必要に応じてハムスター用のヒーターを使用しましょう。
ハムスター用ヒーターはケージの下に敷くものや中に敷くもの、側面に吊り下げるもののほかにハムスターが中に入れるようなドーム型のものがあります。
ヒーターを使用する際は、必ず一部のみを保温するようにします。ケージの中全体を温めるようなことはしないでください。
ハムスターが熱から逃げられるようにすることで、過度な保温による熱中症を防ぐことが出来ます。

保温性の高いケージ

ハムスターのケージには様々な種類がありますが、冬の保温におすすめなのはプラスチックやガラス、アクリルなどの水槽タイプのケージです。
金属タイプのケージと比較してすき間が少ないため、通気性が低くなっており保温性の高いケージです。
ただし、通気性の低さから臭いがこもりやすいためこまめな掃除が必要です。

【防寒グッズの注意点】

ハムスターの防寒グッズの中にはハムスター用の布団や綿の詰まったもこもこのドーム型ハウスなどがありますよね。
デザインも豊富でハムスターが中に入って使っている様子はとても可愛らしいです。
保温性が高く寒さ対策には良いのですが、これらの防寒グッズを使用する際には注意が必要です。
布団やハウスなどをハムスターがかじった際に中の綿を出してしまうことがあり、この綿を誤食した際に腸閉塞になる危険性があります。
また、布がほつれた時に出てくる糸がハムスターの足に絡まって怪我をする可能性もあります。ハムスターの防寒グッズを購入する際はハムスターの相性や飼い主さんの使いやすさなどを考えて選ぶようにしましょう!

いかがでしたか?
ハムスターが厳しい寒さを乗り越えるためには、注意することが多くあります。
ハムスターはケージの中で生活しているため、ハムスター自身が出来る防寒対策には限界があります。
ハムスターの飼育環境を整えて、冬を安全に過ごせるようにしましょう!