飼い主のみなさんは毎日何気なく見ているかもしれない、ウサギの体。
かわいらしいフォルムの中には、自然界で生き延びるために発達した特徴がたくさんあります。ウサギの強いところや弱いところ、きちんと知っておくと、「我が家」で心地よく過ごしてもらうためにきっと役に立ちますよ♪
また、目や耳・毛並み等、いろいろな部位に体調の変化があらわれることがあります。
日々のふれあいの中で、いつもと違うところがないか、チェックしてあげてくださいね。
体のしくみ
●耳:長い耳はウサギの特徴です。聴覚が発達していて、左右の耳を別々に動かして音を探ることもできます。耳は放熱器官でもあり、いつもより内側が赤かったり、熱くなっていたりすると、体温が上がっている証拠なので注意が必要です。
垂れ耳のロップイヤー種は耳に汚れがたまりやすい傾向があります。耳掃除をする等、気を付けてあげてくださいね。
●目:顔の両側に目がついており、視野がとても広くなっています。両目を合わせるとほぼ360度を見渡せますが、きちんと立体に見えているのは、左右の視界が重なる正面10度程のようです。
涙が出続けるときは、目の不調だけではなく歯(奥歯)の伸びすぎが関係していることもあります。
●鼻:ぴくぴくよく動く鼻はウサギのチャームポイントのひとつですね。嗅覚はとても優れており、常に周りの匂いを確かめています。
芳香剤など強い匂いのするものを部屋に置くと、ストレスになってしまうかもしれません。
●口:伸び続ける歯が特徴です。歯をすり減らすための食事内容を考えることが大切です。(参考:『牧草とラビットフード(ペレット)』)
また、味を感じる「味蕾」が、人間に比べてとても多いです。
●ヒゲ:ウサギのヒゲは大事な感覚器官です。野生下の巣穴暮らしでは、ヒゲで通り道の幅をはかったりもしていて、狭いところ・暗いところで情報を得るのにとても役に立っています。
●毛並み:種類によって毛の長さや触り心地も様々です。特に換毛期には、毛づくろいで飲み込む量を減らせるようにブラッシングをしてあげましょう。毛球症予防だけでなく、スキンシップにもなります。皮膚は薄いので、力を入れすぎないよう気をつけてあげてください。
●骨格:軽くてもろい骨をしています。足を挟んだり、何かに驚いて暴れたりといったことで骨折することもあるので要注意です。
●しっぽ:毛並みの色にかかわらず、裏側は白くなっています。野生下では、しっぽを立てて白い部分を見せることで、仲間に警戒の合図を送っています。それ以外にも、興奮しているときは振ったり、リラックスしているときには下がっていたりと、感情がよく現れる部分です。
●足:肉球はなく、毛でおおわれています。前足の指は5本、後ろ足の指は4本で、土を掘るためのしっかりした爪が生えています。室内飼いでは野生下と違って自然に削れていくことが少ないので、伸びすぎないよう爪切りをしてあげましょう。(爪には血管が通っているので、切ってしまわないよう要注意!)
いわゆる「足ダン」、スタンピングは、怒っているときや警戒しているときの行動です。何に怒っているのかな?ときちんと見てあげることも、大事なコミュニケーションです♪
【ウサギはグルメ?】
多くのウサギは、食べるものにとてもこだわります。
「新しいペレット!食べるかな?→全然食べない…」
「おいしそうなおやつ!あげてみよう♪→口に入れたけど出しちゃった…」
こんな経験のある飼い主さんも多いのでは?
ウサギは嗅覚がとても優れていて、匂いも大きな判断基準になりますが、それに加えて味を感じる「味蕾」がたくさんあります。人間の味蕾が約10,000個なのに比べて、ウサギは約17,000個!
ウサギと同じ草食動物は味蕾が多い種が多く、牛は約25,000個なんだとか。ちなみに犬の味蕾は約2,000個、猫は1,000個以下と言われており、かなり違いがありますね。
草食動物は、食べられる草と食べられない草を判断するために味覚が発達したという説もありますが、実際には有害かどうかは判断できないようです。野草等を与えるときは、中毒性がないかどうかきちんと確認してあげてくださいね♪