前回はウサギの加齢で年齢を重ねることで起こるウサギの体や行動の変化、そしてそれに伴う生活環境の変化について紹介しました。ウサギの加齢に伴って考える必要があることの1つにウサギの介護があります。
今までよりも飼い主さんのサポートが必要になるウサギにどんなことをしてあげればいいのでしょうか?
今回はウサギの介護について見ていきましょう!

ウサギの介護とは?

「介護」と聞くと、なんだか重苦しいと感じてしまうかもしれません。
しかし、ウサギの介護とは高齢になり今まで通りの生活が難しくなったウサギの生活の質を下げないように、ウサギ自身が穏やかに過ごせるようにお手伝いをするということです。
ウサギの介護について「どんな状態になれば介護が必要」という明確な基準があるわけではありません。
寝たきりとまではいかなくても、足を動かすのが難しい子や自分でごはんを食べることが難しい子など様々です。ウサギの状態に合わせた介護をすることが大切です。

具体的には何をすればいいの?

先程も述べたようにウサギの状態に合わせて必要な介護は変わってきます。
今回は自力で体を動かすのが難しい子に対する1つの例としてどんな方法があるのかを紹介します。

・床ずれ防止

寝たきりであったり、自力で体を動かすのが難しい子で気を付けることは床ずれです。
床ずれとは褥瘡(じょくそう)とも言い、長時間同じ部位が圧迫されることで血流が阻害され組織の損傷を起こすことです。
骨が出っ張っているところなどに起こりやすく、自分で体勢を動かすことが難しい子が長時間同じ姿勢でいると床ずれができてしまいます。
床ずれは一度なってしまうと治療が難しいため予防が大切とされています。
床ずれにならないようにするには、体重分散と血流がポイントになります。
可能であれば2時間に1回体勢を変えると良いのですが、この時ウサギにとって楽な姿勢を維持できるようにする必要があります。
こまめに体勢を変えるのが難しい場合は柔らかいマットや分厚いタオルを敷いてあげることで体重が分散しやすくなります。
また、マッサージをすることで血流が良くなり床ずれ防止にもつながる他、関節が固まるのを防ぐことにもなります。

・清潔にする

自力で体を動かすのが難しい子は同じ場所で排泄をするしかありません。
そうするとお尻周りや体が汚れてきます。不衛生な状態では感染を起こすことにも繋がりますし、ウサギ自身も気持ち悪く感じてしまうでしょう。
そんな場合はバスマットやペットシーツを使用します。突起のあるようなバスタオルは吸水性に優れており、被毛に汚れがつきにくいです。これらをこまめに交換することで清潔な状態を保つことが出来ます。

・食事

自力で食事をとるのが難しい子や食欲が無くてごはんが食べられない子がいます。
そういった子には口元までごはんを持って行って食べさせたり、好物の果物や野菜などを与えて食欲を刺激するようにします。
ペレットを噛んで食べるのが難しい子には市販の粉末フードがおすすめです。粉末フードはウサギ用又は草食小動物用を選びましょう。
粉末フードに水かぬるま湯を混ぜて団子状にしてあげると食べやすくなります。
粉末フードが無い場合は普段与えているペレットを砕いて粉状にしてから同じように水又はぬるま湯を加えて団子にするという方法があります。
この時注意する点として熱湯は使わないようにしてください
熱によってビタミンなどの栄養成分が壊れることがあります。だいたい20~30℃くらいのぬるま湯であれば問題ありません。

このほかにも体をもぞもぞと動かす子についてはケージ内で頭や体を壁に打たないようにタオルを丸めて柔らかいガードを作るなどがあります。

いかがでしたか?

「介護」と一括りに言っても、ウサギの状態や飼い主さんの生活スタイルによって方法や必要なことは変わってきます。
また、介護は最期の時まで続くものです。飼い主さんが多大なストレスを感じていてはウサギも落ち着かないでしょう。
動物病院などで相談しながら、飼い主さんとウサギに無理のない範囲で続けていく必要があります。