鳥さんのケージは、1日の大半を過ごしてもらう大事な「部屋」です。
安心、安全、快適さ、楽しさ……気になることはたくさんありますね。
鳥さんのことを思ってケージのレイアウトをあれこれと考えるのは、飼い主さんにとって楽しみのひとつでもあるかもしれません。
おさえておきたいポイントを見ていきましょう。

ケージのレイアウト

●適切なケージの大きさ

小型インコや文鳥は35cm四方以上、オカメインコは45cm四方以上がおすすめです。ケージ内でも元気に飛び回る子には、かわいい形のケージよりもシンプルな形の方が、中の空間を広く使えて安全です。

●ケージの形状

手乗りの子は、出入りしやすいように前が大きく開くタイプのケージがおすすめ。
扉に留め具がついていないものは、鳥さんの脱走防止の為にクリップやナスカン等でロックしておくと安心です。
手軽に分解してしっかり洗えるか等、掃除のしやすさを重視しましょう。ケージ下部は引き出し式のトレーになっているものが多いです。床材として新聞紙を何枚か重ねて敷いておくと、取り換えが楽にできます。

●エサ入れ

深い容器では、いっぱいに入れないと小型の鳥さんは食べにくいことがあります。食べにくそうにしているようなら、浅めのものを選びましょう。飛び散りをふせぐカバー付きのタイプもあります。
副食を与える場合は、必要に応じて、葉野菜を立てて入れる「菜挿し」やボレー粉等を入れるための容器をとりつけましょう。菜挿しには水を少し入れておくと野菜の持ちが良くなります。茎の部分をケージに直接クリップで留めても良いでしょう。

●水入れ

フン等が入って不衛生にならないよう、鳥さんがよくいる場所と水入れの位置関係に注意しましょう。カバー付きや外付けタイプもあります。水浴びが好きな子には、外付けタイプがおすすめです。

●止まり木

止まり木は、段差をつけて手前と奥につけるのが基本です。太すぎても細すぎても鳥さんの脚に負担がかかるため、止まった時に爪先が少し離れるぐらいの太さがおすすめです。自然木タイプのものは、太さに変化が出て鳥さんが楽しめます。

【止まり木の位置関係】
同じケージで複数飼育をするときは、段差をつけず同じ高さに止まり木を設置したほうが良い場合があります。「相手より高い位置にいる」ことが、鳥さんにとって「強さ」の基準になることがあるのです。
上下関係ができてしまったり、高い方の止まり木をめぐってけんかになったりすることがあるので、様子を見ながら調整しましょう。

●おもちゃ

ケージ内で過ごしている間に退屈しないように、おもちゃを入れてあげる飼い主さんも多いのですが、入れすぎると狭くなったりぶつかったりすることがあり、個体差がありますが発情の一因になることもあります。鳥さんの様子を見て調整しましょう。
パニックを起こしやすいオカメインコは、おもちゃでけがをしないように注意してあげましょう。

●水浴び用のバス

陶器製のものや、ケージの外につけられるタイプのものがあります。必要に応じて設置してあげましょう。文鳥等のフィンチ類は特に水浴びが大好きで、毎日水浴びができないとストレスになります。
はねた水で食事が濡れてしまわないよう、エサ入れとの位置関係に気をつけましょう。
水浴びには、必ずお湯ではなく水を使ってください。(羽をコーティングしている脂をお湯が溶かしてしまい、羽や皮膚まで濡れてしまいます!)

●温湿度管理

ケージの近くに温湿度計を設置し、温度・湿度管理の目安にしましょう。
寒い季節には、必要に応じてヒーターを設置します。電球型やパネル型等の種類があります。ヒーターはケージの外側に付けるか、中に置く場合は隅に設置し、暖かくなりすぎたら鳥さんが涼しい場所へ動けるようにしておきましょう。

●巣箱・ツボ巣は入れない方が良い

寝床として巣箱(インコ類用)やツボ巣(フィンチ類用)があったほうが良いのでは、と思われるかもしれませんが、鳥さんは止まり木に立ったまま眠ることが多く、特別な寝床は必要ありません。逆に巣箱等があると、特にメスの場合、「巣を作る→繁殖」につながり発情を促してしまうことがあります。繁殖の予定がないのに発情を繰り返すと、生殖器の病気にもつながります。
繁殖をさせる予定がないときは、巣箱・ツボ巣は入れない方が良いでしょう。

室内での設置場所

基本的には、「人と一緒に過ごせて、暑すぎず寒すぎず、適度な明るさがあり、直射日光や隙間風の当たらない場所」が適しています。
羽毛や脂粉等が飛ぶので、飼い主さん側の衛生面を考えると、寝室等は不向きです。

【こんな場所はNG!】
■窓際
1日の寒暖差が大きく、直射日光が長時間当たるため、常に置いておく場所としては良くありません。
窓際では時々日光浴をさせてあげる程度にしましょう。
■エアコンの風が直接当たるところ
暑すぎる・寒すぎる環境や、風が長時間当たる場所は不向きです。
■ドアの近く・テレビの近く等
人の出入りが多い場所や大きい音がずっと鳴っている場所は、鳥さんが落ち着けません。
■キッチンの近く
調理器具を熱した際に出るガスや調理中の煙等、鳥さんにとって危険なものがキッチンにはたくさんあります。
キッチンとつながっている部屋にケージを置くときは、キッチンエリアから離れた場所を選びましょう。
■床に直接ケージを置く
低すぎる場所は鳥さんが落ち着けません。鳥さんと人の目線がだいたい同じぐらいか、人がやや高いぐらいの位置がおすすめです。