ころんとしたフォルムがとってもかわいいモルモット。
動物園等のふれあいコーナーで見かけることも多い動物です。細い橋を1列に並んで走る姿がテレビに取り上げられることもありますね。
そんなモルモット、実際はどんな動物なのでしょうか?

モルモットの生態

モルモットは、ネズミ目(げっ歯目)テンジクネズミ科テンジクネズミ属に分類されます。
実はモルモットは、野生には存在していない動物種です。南米に生息するテンジクネズミ(ペルーテンジクネズミ、パンパステンジクネズミ等)を、古代インディオが家畜化したものが始まりだと言われています。
テンジクネズミ科の仲間には、「カピバラ属」のカピバラがいます。大きさは全く違いますが、言われてみればなんとなくモルモットと雰囲気が似ている……かも?

野生のテンジクネズミは、植物の葉や茎、根、樹皮等を食べています。
5~10頭程度の群れで暮らしていて、昼は巣の中で休み、夕方から夜にかけて活動します。
モルモットにも同じ特徴があります。完全草食動物であり、夜行性で、社会性が高く群れで暮らすことができます。
その時の感情に合わせて様々な鳴き声を出し、コミュニケーションを取ります。

温和な性格のモルモットですが、繊細でもあり、環境の変化や大きな音等にストレスを受けやすい面があります。
また、弱っているところを見せないよう、体調不良を隠す傾向があります。
一緒に暮らす上では、こういった点に気をつけてあげることが必要です。
個体差はありますが、馴れてくると活発なところを見せたり、飼い主に甘えてスキンシップを求めたりもします。

モルモットの体

【基本データ】
・体長:頭部+胴の長さ 20~40cm程
・体重:0.5~1.5kg程 一般的にメスよりオスの方が大きい
・寿命:6~8年程
 
●歯が伸び続ける
モルモットの歯は一生伸び続けます。これを「常生歯」といいます。主に食事で歯を摩耗させることが大切です。
同じネズミ目でもハムスターやシマリスは切歯(前歯)だけが伸び続けますが、モルモットは臼歯(奥歯)も含めた全ての歯が伸びます。

●完全草食動物
植物を食べるモルモットは盲腸がとても発達していて、腸内細菌叢によって繊維質の消化、発酵が行われます。さらに、通常の便とは違う栄養豊富な「盲腸便」を出し、これを自分で食べます(食糞行動)。

●体内でビタミンCを作ることができない
モルモットは体内でビタミンCを作ることができないため、食事から摂る必要があります。
ビタミンCが不足すると、食欲不振や毛並みの悪化、歯肉からの出血等、様々な不調が起こります。

【ビタミンCの体内合成】
モルモットと同じで、人間も体内でビタミンCを作ることができません。実はこれは少数派で、多くの動物は自分でビタミンCを作ることができるのです。
ビタミンCの体内合成ができない動物は、人間やモルモットの他、サル、コウモリ等の限られた種だけだと言われています。

モルモットの種類

モルモットは毛並みや毛色に様々なバリエーションがあります。

●短毛種
イングリッシュ
テディ
アビシニアン 等

●長毛種
シェルティ
ペルビアン 等

●無毛種
スキニーギニアピッグ
(鼻や頭に毛があるタイプとないタイプがいます)