「モルモットの食事【前編】」では、モルモットのメインの食事やビタミンCの重要性についてお話ししました。
牧草やペレットの他に、食べる楽しみのためや食性を広げるため、野菜や野草等を与えるのもおすすめです。
今回は、野菜等の「与えて良いもの」、危険がともなう「与えてはいけないもの」についても見ていきましょう♪
 
※モルモットは大きな食事の変化をストレスに感じてしまうこともあります。
初めてあげるものは少しずつから試しましょう!

副食・おやつ

●野菜

・与えても良い野菜の例:コマツナ、チンゲンサイ、キャベツ、ブロッコリー、パプリカ、キュウリ、ニンジン、ダイコンの葉、カブの葉、パセリ等
ブロッコリーやパプリカにはビタミンCが多く含まれています。
ダイコンの葉やカブの葉、パセリ等は、ビタミンCも多く含まれますがカルシウムも多いので、おしっこの健康が気になる子には配慮が必要です。
生野菜は水分量が多く、たくさん食べると水分でお腹いっぱいになったり、下痢をしてしまうこともあります。少量から与えてみましょう。長時間置いておくと傷んでしまうので、新鮮なものを与え、食べ残しは取り除きましょう。

【ビタミンCを壊す野菜?】
ニンジンやキュウリにはビタミンCを壊す酵素が入っている、という話を聞いたことがあるでしょうか?
ニンジン等に含まれる「アスコルビナーゼ」という酵素がビタミンCを壊す……という話なのですが、実は「壊す」のではなく、「還元ビタミンCを酸化させ、酸化型ビタミンCに変える」のです。
では「酸化型ビタミンC」を食べるとどうなるか?ですが、これは「体内で還元型ビタミンCに戻る」ことが分かっています(モルモットも同じ※)。モルモットにニンジンやキュウリを食べてもらっても、酵素のせいでビタミンCが減ることはないと言えそうですね♪
※参考:NUTRIENT REQUIREMENTS OF LABORATORY ANIMALS (Fourth Revised Edition 1995)

ちなみに「ビタミンCが減ってしまう」ことが気になるのなら、「カットした野菜を数日置いておく」「野菜を茹でる(茹で汁にビタミンCが溶け出してしまう)」等は避けたほうが良いでしょう。

●野草

・与えても良い野草の例:タンポポ、オオバコ、ナズナ、クローバー等
屋外で摘んだ野草は、場所によっては動物の排泄物や排気ガス等で汚れていることがあります。摘む場所を選ぶこと、流水でしっかり洗うことが大切です。
毒性を持つ野草もあるので、与えて大丈夫かどうかわからないものは与えないほうが安全です。

●果物

・与えても良い果物の例:リンゴ、バナナ、イチゴ、キウイ、みかん 等
甘い果物が好きなモルモットは多いですが、糖分を多く含むため、少量をおやつに与える程度にとどめましょう。
ビタミンCが多い果物はイチゴやキウイ等です。

サプリメント

必要な栄養は牧草と総合栄養食ペレットから摂取するのが基本ですが、補助としてサプリメントが役立つ場面もあります。モルモットでは、体調が悪い時や妊娠・授乳期にはビタミンCの必要量が増えるため、サプリメントで補っても良いでしょう。

●皆さん、サプリメントを与えていますか?
モルモットの飼い主の皆さんに、アンケートに答えていただきました♪(イースターウェブ会員調べ)

Q. 与えているサプリメントの種類を教えてください。

全回答者のうち、ビタミン類のサプリメントを与えている方は約75%、乳酸菌を与えている方は約50%でした。
多くの飼い主さんが、ビタミン摂取と腸の健康維持に特に配慮されているようです。

与えてはいけないもの

【中毒を起こす可能性があるもの】
・一部の野菜類:タマネギ、ネギ類、ニンニク、ニラ、アボカド、ジャガイモの芽、トマトのヘタや葉、桃やさくらんぼの種、
・一部の植物:スズラン、水仙、チューリップ等
・コーヒー等カフェインの含まれる飲み物、アルコール類、チョコレート類、香辛料等

食べさせるつもりがなくても、モルモットが興味をもってかじってしまうことがあります。ケージの外で遊ばせるとき等、モルモットが触れる範囲に観葉植物や花瓶がないか、人間の食べ物等を置いたままになっていないか、しっかり確認しましょう。

中毒のおそれがないものでも、人間用に味付けされた食べ物は糖分や脂肪分・塩分等がモルモットには多すぎます。食べさせないようにしましょう。
また、穀類・芋類は炭水化物を多く含むため、消化不良の一因となる場合があります。
 
 
モルモットの安全や適切な栄養を考えた上で、好物を見つけてあげましょう♪