ずんぐりした体でとことこ走るモルモット。かわいらしい体には様々な特徴があります。
その中には、健康に快適に過ごしてもらうため、飼い主さんが気をつけてあげたほうが良いポイントも。
モルモットの体の特徴や、成長に合わせた変化についても見ていきましょう。

体の特徴

●体全体

頭が大きく、胴体は寸胴で三頭身程度の体型をしています。
毛並みや毛色はたくさんの種類があり、長毛ストレートや短毛の縮れ毛、つむじの有無等様々です。毛の長い子は絡まないようブラッシングをしたり、毛のないスキニーギニアピッグは温度管理に特に配慮したりと、それぞれに合わせたお世話が必要です。

●頭部

視力はあまりよくありませんが、嗅覚・聴覚がすぐれています。その分騒音等は大きなストレスになってしまうので、環境には配慮してあげましょう。
モルモットの歯は一生伸び続けます。これを「常生歯」といいます。主に食事で歯を摩耗させることが大切です。
切歯(前歯)・臼歯(奥歯)合わせて20本の歯があり、生まれた時から永久歯が生えています。

●四肢

前足と後ろ足は短く、指の数は前足が4本、後ろ足が3本です。床が硬すぎたり肥満気味だったりすると、足裏に負担がかかって痛めやすいので注意しましょう。
ウサギのように高く跳ぶことはできませんが、若いモルモットでは、体をひねるような「ポップコーンジャンプ」と呼ばれる独特のジャンプが見られます。

●臀部

モルモットのお尻にしっぽはありませんが、体の中にはしっぽの骨(尾椎)があります。
肛門の上側には臭腺があります。オスの方がにおいがより強く、臭腺周辺は分泌物でべたつくことがあります。

●消化管

モルモットの胃は嘔吐ができないつくりになっています。グルーミングで飲み込んだ毛が溜まったり、布等の異物を食べて溜まったりしても自分で吐き出すことはできません。
植物を食べるモルモットは盲腸がとても発達していて、腸内細菌叢によって繊維質の消化、発酵が行われます。
さらに、通常の便とは違う「盲腸便」を出し、これを自分で食べます(食糞行動)。肛門に直接口をつけて食べるため、飼い主さんが「盲腸便」を見ることはあまりないかもしれません。
盲腸便はたん白質やビタミン等が豊富で、モルモットの大事な栄養源になっています。

【いろいろな「声」の話】
モルモットの大きな魅力のひとつに、多彩な鳴き方があります。
モルモットは社会性が高く、コミュニケーション手段のひとつとして、様々な鳴き方で仲間に意思を伝えます。
ごきげんなときの「プイプイ」や甘えているときの「クイックイッ」、また怖がっているとき等には意外なほど大きな声も出るので、びっくりしたことがある飼い主さんも多いのではないでしょうか?
他の草食小動物では、デグーも仲間とのコミュニケーションのためにたくさんの鳴き声を持っており、「アンデスの歌うネズミ」と呼ばれているほどです。チンチラも個体差はありますが、嬉しいときや不満があるとき等、いろいろな声を聞かせてくれます。
そしてウサギは、そもそも声帯がなく「声」を出すことはありません。かわりに、プゥプゥ、ブーブーと鼻を鳴らす音等で感情を伝えてくれます。

モルモットの成長

●離乳まで

【~3週齢頃まで】
赤ちゃんは生まれた時から目が開き、歯も毛もはえそろっています。生まれて数時間後にはもう歩くことができます。
ふやかしたペレット等のやわらかいものは、生後数日(早ければ数時間)で食べ始めます。
完全な離乳は3週齢頃になります。

●成長期・維持期

【3週齢~3、4歳頃】
体が大人になり、活発に活動する時期です。
メスでは30~45日齢、オスでは約70日齢で性成熟を迎え、繁殖できるようになります。複数飼育していて繁殖を考えていない場合は、ケージをわけておきましょう。
繁殖させる場合、初めての出産は7ヶ月齢までが良いでしょう。それ以降になると、骨盤の結合部分が癒合し難産の可能性が高くなるといわれます。

●高齢期

【3、4歳頃~】
個体差はありますが、3歳ぐらいから老化が見え始めます。運動量が減ってきたり、毛づやがなくなってきたりします。なるべく段差をなくす等、過ごしやすさを考えた環境調整は必要ですが、環境を大きく変えるとストレスになることもあります。様子を見ながら、くつろいで過ごせるよう整えてあげましょう。