「グルテンフリー」タイプのペレットが増えてきています。これは、小麦などに含まれる「グルテン」を原料に使っていないペレットのことです。ペットショップ等でも目にすることが多くなっているのではないでしょうか?
ではそもそも、「グルテンフリー」は、どんな点がウサギに良いのでしょう?
「ロップ」のお悩みと一緒に見ていきましょう!
●ウサギに合わない食事って?
ウサギは、繊維質を栄養にするための長い消化管を持っています。
繊維質には、胃腸のぜん動運動を活発にするはたらきがあります。繊維質の多い食事を食べているときは、胃腸が活発に動きますが、ウサギにとってあまり消化が得意ではないグルテンやデンプンなどを多く摂取すると、胃腸の動きが低下してしまったり、腸内細菌のバランスが崩れてしまったりします。
そうするとお腹にガスがたまってしまったり、便が出なくなってしまったり……さらに悪化すると胃腸がまったく動かなくなって、命にかかわることも!
また、ウサギは胃の形態から嘔吐ができず、毛づくろいによって飲み込んでしまった抜け毛や、誤食したペットシーツ、カーペットなどの異物が胃の中にたまりやすい構造になっています。胃腸がきちんと動いていれば便と一緒に排泄されますが、うまく流れずに胃の中にたまってしまうと、「毛球(ヘアボール)」、「うっ滞」になってしまう場合があるのです。
小麦に含まれるグルテンは粘りが強く、飲み込んだ異物とからまり、毛球症・うっ滞の一因になるとも言われています。
参考:『ウサギの消化』
●グルテンって何?
グルテンとは、小麦に代表される穀物の胚乳から生成されるたん白質の一種です。水分を加えて練ると、強い粘りや弾力性が出ます。
小麦粉を使ってパン等を作ったことがある方は、しっかり練るほど粘りが強くなっていくグルテンの性質をイメージしやすいのではないでしょうか?麺類のモチモチ感やコシもグルテンがもとになっています。
グルテンを多く含む、パンやクッキー、麺類等々。こういうものをあげてみると、困ったことに、好んで食べるウサギはけっこう多いようです。
けれど、ウサギが好むからといって、なんでもあげていいというわけではありませんよね。
「これって小麦粉のかたまりでは?」ということを、与える前にちょっと考えてみてくださいね♪
●グルテンフリーのペレット
小麦は、多くのラビットフード(ペレット)にも使われています。たん白質源として配合されている他、繊維質の多い牧草原料を粒の形にまとめる「つなぎ」としてのはたらきも担っています。
「小麦を食べる=病気になる」ということでは、もちろんありません。食事以外にも遺伝や生活環境など、健康にはたくさんの要因や個体差があり、同じものを食べていても、うっ滞になる子・ならない子は分かれることがあります。また、ペレット以外に何を食べているかも大きく影響してきます。
けれど、うっ滞や毛球症になりやすい体質の子は、普段から気を付けてあげたほうがウサギの健康のためにもなります。
「ブラッシング」「運動」「ストレスのない生活環境」などと合わせて、「グルテンを摂らない」=「グルテンフリーのペレット」も選択肢に入れてみてはいかがでしょうか?